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執筆者の写真keiichibaba 馬場敬一

断腸の思いで


Human dig ~at the island of gods~/180 x 480cm/2008

大作を処分した。

倉庫にはもう空きがなくなってしまった。新作を置くスペースを確保する為に。


この作業は数年毎に必要になってくる。

行くあてのない大作を多く描いてきたから仕方がない。

こうなる運命だとわかっていても、やはり大作に挑みたくなる。

大規模な展覧会に必要だから描く。

自分自身が観たいから描く。

ただそれだけ。


作品を自分の手でゴミに変換する。

カッターナイフで切断して小さくする作業は、何度経験しても苦しい。

作品は単なる資源ゴミとなり、トラックで軽快に運ばれて行った。

余りに呆気無かった。


費やした労力や注ぎ込んだ情熱が産み出したもの。それががゴミだと思うと悲しい。

これから先の制作に必要な作業だと自分に言い聞かせる他無い。


処分した「Human dig ~at the island of gods~」は高さ1メートル80センチ、幅4メートル80センチの大作。

2008年にバリ島ウブドに7ヶ月間滞在した時の作品。


ネカ美術館での展覧会は大規模なものだった。

ちょうど日本とインドネシアの友好50周年に当たり、バリ総領事がレセプションで挨拶をしてくださった。

新聞やテレビに連日取り上げられた。

館長の計らいで会期が倍に延長された。

大作2点を寄贈する事になり、内1点は現在も常設展示して頂いている。

自分でも驚くほどの盛況だった。


経験や思い出は消えない。

頑張ろう。




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